本日は七回忌のご法要にあたり、皆さまとともに故人さまを偲び、ご縁をいただけましたこと、心よりありがたく存じます。
七回忌という節目は、ただ年月を数えるだけのものではありません。仏教では、人は亡くなって終わりではなく、ご縁の中で今も生き続けていると考えます。私たちが故人さまを思い出し、その人の言葉や生き方を心に浮かべるとき、その命は私たちの中で確かに息づいているのです。
しかし日々の暮らしの中で、私たちはつい忙しさに追われ、大切なことを忘れがちになります。だからこそ、このような年忌のご法要は「思い出すための時間」として大切にされてきました。悲しみを思い返す場ではなく、つながりを確かめ直す場なのです。
故人さまは、皆さまにどのようなものを残してくださったでしょうか。優しい言葉、支えてくれたぬくもり、ともに過ごした何気ない日常。その一つひとつが、今の私たちの生き方を形づくっています。仏教では、これを「縁」と申します。私たちは決して一人で生きているのではなく、多くのご縁に支えられている存在なのです。
また、亡き人を偲ぶことは、同時に自らの生き方を見つめることでもあります。「もし故人さまが今の自分を見たら、どう思われるだろうか」と問いかけることは、私たちにとって大切な道しるべとなります。
人生は限りあるものです。しかし、その限りがあるからこそ、一日一日が尊いのです。今日こうして手を合わせるこの時間も、二度と同じ形では訪れません。この瞬間を大切にし、いただいたご縁を丁寧に生きていくこと、それが何よりの供養となります。
どうかこれからも、折に触れて故人さまを思い出し、その教えやぬくもりを胸に、それぞれの人生を歩んでいただければと思います。その歩みこそが、故人さまへの何よりの報恩であり、供養となることでしょう。
本日は誠にありがとうございました。合掌。

