坐禅のあとに子どもたちへ
― 本当に強い人になるために ―
みなさん、今日は長谷寺に来てくれて、ありがとうございます。
今日は、いつもの体育館とは少し違う場所で、坐禅をしましたね。
足が痛かった人もいるでしょう。
「早く終わらないかな」と思った人もいるかもしれません。
でも、よく頑張りました。
今日は、みなさんに一つだけ、大切なことをお話ししたいと思います。
それは、
「本当に強い人とは、どんな人でしょう?」
ということです。
みなさんはバスケットボールの選手です。
試合に勝つためには、シュートが上手でなければいけません。
ドリブルも必要です。
走る力も必要です。
そして、仲間と協力することも大切です。
でも、それだけではありません。
どんなにシュートが上手でも、
「もう疲れた。やめよう」
と思ったら、そこで終わってしまいます。
どんなに上手な選手でも、
「自分だけが活躍すればいい」
と思ったら、チームは強くなりません。
だから、スポーツでは、
体を強くすることと同じくらい、心を強くすることが大切です。
今日、私たちは坐禅をしました。
坐禅では、じっと座って、自分の呼吸を見つめます。
「動いちゃだめ」
「何も考えちゃだめ」
ということだけではありません。
大切なのは、
自分の心を自分で整えることです。
たとえば試合中、
「シュートを外してしまった!」
「負けている!」
「相手が強い!」
そんなことがあります。
そのとき、
「もうダメだ!」
と思ってしまうと、次のプレーに集中できません。
でも、
「大丈夫。次の一本に集中しよう」
と、自分の心を落ち着かせることができたらどうでしょう。
それが、心の強さです。
実は、坐禅も同じです。
雑念が出てきても、
「ダメだ!」
と怒らない。
「今、いろいろ考えているな」
と気づいて、また呼吸に戻る。
何度でも戻る。
これが修行です。
そして、今日このあと、みなさんは掃除をします。
「掃除なんて、バスケットと関係ないよ」
と思う人もいるかもしれません。
でも、実はとても関係があります。
誰も見ていないところで、
ゴミを一つ拾う。
道具をきちんと片付ける。
床をきれいにする。
仲間が使いやすいように準備する。
こういうことを、
「誰かに言われたからやる」のではなく、自分からできる人。
そういう人は、強い人です。
試合でシュートを決めるところは、みんなが見ています。
でも、
掃除をしている姿。
道具を大切にしている姿。
仲間を助けている姿。
誰も見ていないところで頑張っている姿。
こういうところに、本当の強さが出ます。
お寺では、掃除も修行です。
なぜなら、
「場所をきれいにすることは、自分の心をきれいにすること」
だからです。
そして、今日は食事もします。
食事をするときにも、修行があります。
食べ物を作ってくれた人がいます。
お米を作ってくれた人がいます。
料理をしてくれた人がいます。
だから、
「いただきます」
と感謝して食べる。
食べ終わったら、
「ごちそうさまでした」
と感謝する。
そして、食器をきちんと片付ける。
一つひとつを丁寧にする。
これも心を強くする練習です。
今日みなさんは、
坐禅をして、心を整える。
掃除をして、人のために動く。
食事をして、感謝する。
ということを体験します。
これらは全部、バスケットボールにもつながっています。
苦しいときに、もう一歩走る。
失敗しても、次のプレーに集中する。
仲間が失敗したら、「大丈夫」と声をかける。
誰も見ていないところでも、練習する。
道具を大切にする。
そして、試合ができることに感謝する。
こういうことができる人は、
バスケットボールだけではなく、人生でも強い人になります。
最後に、一つ覚えて帰ってください。
それは、
「強い人は、勝つ人だけではありません。」
失敗しても立ち上がる人。
苦しくても続ける人。
仲間を大切にする人。
誰も見ていなくても頑張る人。
自分の心を自分で整えられる人。
そういう人が、本当に強い人です。
ラスティのみなさん。
これから試合で、うまくいかないこともあるでしょう。
シュートが入らない日もあるでしょう。
負けることもあるでしょう。
そんなときには、今日の坐禅を思い出してください。
一度、ゆっくり息をして、
「大丈夫。次の一本。」
と心を整えてください。
そして、仲間を信じてください。
今日ここで体験したことを、体育館に持って帰ってください。
坐禅の心を、コートの上へ。
掃除の心を、普段の生活へ。
感謝の心を、毎日の食事へ。
そうやって、一日一日、自分の心を磨いてください。
みなさんが、バスケットボールの強い選手になるだけではなく、
「心の強い人」
になってくれることを、長谷寺から応援しています。
今日は来てくれて、本当にありがとうございました。

